スポーツ心理学【課題の分離】〜本当に成長する選手が身につけている「集中力」〜
スポーツ心理学:課題の分離
本当に成長する選手が身に付けている「集中力」
1. 課題の分離ってなに???
「自分がコントロールできること」と「できないこと」を切り分ける力。
スポーツ選手にとって、この考え方は試合の勝敗を左右するほど重要です。
• 審判の判定や相手の実力/風などの環境/他人の思考 → 自分には変えられない課題
• 練習への取り組み姿勢/練習への意識/試合でのプレー/言動/気持ちの切り替え → 自分次第で変えれる課題
ここを正しく整理できると、無駄にイライラしたり、自分を見失うことが減ります。そして、自分が集中すべきところにちゃんと集中できるようになります。
2. スポーツ選手が陥りやすい落とし穴
ジュニア期は特に「他人の課題」に振り回されやすいです。
• 「監督が○○してくれない」
• 「あの相手はずるい」
• 「風が強すぎて最悪」
これらは全て、自分では変えられない課題です。
しかしここに感情を使うと、本来集中すべき自分のプレーが疎かになるんです。
感情をコントロールできない選手はパフォーマンスが安定しません。逆にトップ選手は「環境や相手を言い訳にしない姿勢」を徹底しています。もはや無駄な事への思考の余地すら無いのです。
3. 成長するために意識したいこと
課題の分離を実践するには、次の意識が効果的です。
• ミスをした瞬間 → 「なんで?」+「次どうする?」と行動までを考える。
• 相手の強さを嘆くより、「自分の1点」をどう取るかに集中する。
• コントロールできない要素は「条件」として受け入れる。または利用する(風・相手・判定は全部同じ舞台に立つ条件)
ここで大事なのは、「変えられないものは諦める」のではなく、「変えられないものに左右されない心」「利用してやろうと言う余裕のある心」を育てることです。
4. 実戦でのイメージ
例えばソフトテニスの試合で風が強い日。
「風が嫌だ、打ちにくい」と嘆くのは相手も同じ。
課題の分離ができる選手は「この条件で最適なプレーは?」と考え、自分のボールコントロールやフットワークなど自分がコントロールできることにのみ集中します。
結果、同じ状況でも一方は崩れ、一方は成長の機会に変えられるのです。
5. ご家庭でのサポート例
ジュニア選手が課題の分離を身に付けるには、日常がとても大切です。テニスコートの時間なんてほんの一部なのです。
試合後に「なんで勝てなかったの?」と問い詰めると、子どもは「相手が強いから」「運が悪かった」と他人や環境のせいにしがちです。これは自然なことで、責任やストレスから逃れるための防衛本能や生存本能に近いものです。
ですから、ぜひこんな質問をしてあげてください。
• 「今日の試合で自分にできたことは何だった?」
• 「次はどんな挑戦をしたい?」
• 「相手が強い中で、自分が工夫できた所は?」
こうした問いかけは、選手が「自分にコントロールできる課題」に目を向けるきっかけになります。
その積み重ねが、強いメンタルと長期視点での人間的成長につながります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
この時間があなたの人生にとって何か力になりますように。